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最終報告日 2017.03.13

8-2 権利行使を支援するシステム

8-2-4 成年後見制度

[解説]

老人性認知症や知的障がい、精神障がいにより、判断能力が不十分な人に、成年後見人などの援助者を選任し、本人を保護・支援する制度です。

この制度は、以下を基本理念としています。

  • 可能な限り本人の意思を尊重する(自己決定権の尊重)
  • 本人のできることは本人が行い、不十分な部分を補う(残存能力の活用)
  • 本人の望む場所で本人の生活を維持継続していく(ノーマライゼーション)
  • 本人の身上に関する利益主張を補助、代弁する(アドヴォカシー)

 

成年後見制度の概要

この制度は、法定後見制度と任意後見制度に分かれます。

                     ┌─


─┼─


 └─
後見
   ┌─


─┤ 




 └─
法定後見制度 保佐
成年後見制度   補助
       
  任意後見制度 ─── 任意後見

                  図8-2-4-① 成年後見人制度の概要

 

 

(1) 法定後見制度

[解説]

四親等内の親族などの申立てに基づいて、家庭裁判所が後見人などを職権で選任する制度です。
本人の判断能力の程度により補助保佐後見の3つの類型に分けられています。

 

[対象者]

  • 後見:精神上の障がいにより事理を弁識する能力を欠く常況にある人
  • 保佐:精神上の障がいにより事理を弁識する能力が著しく不十分な人
  • 補助:精神上の障がいにより事理を弁識する能力が不十分な人

 

[利用者負担]

  • 申立費用
    収入印紙800円~2,600円(申立内容によって違う)、切手5,000円程度、登記費用や診断書料金などその他に1万円~2万円程度
  • 鑑定費用(必要がある場合)
    約5万円~10万円程度

 

[窓口と申請方法]

窓口

本人の居住地を所管轄している家庭裁判所 (裁判所ホームページより確認できます)

申立てができる人

  • 本人、配偶者、四親等内の親族、検察官など
  • 市町村長 (二親等内の親族がいない場合など) 

表8-2-4-② 法定後見人制度利用の流れ

① 本人が判断能力が不十分となる
 ⇩
本人・配偶者・四親等内の親族や任意後見受任者などが本人の居住地の家庭裁判所に判断能力の程度に応じた申立てを行う
② 後見審判の開始 
 ⇩
家庭裁判所が審問や調査、精神鑑定をもとに判断します。

③ 後見開始 後見開始していいかの審判などの告知・通知がされます。
認められた後見人(保佐人・補助人)の登記を行い、支援がはじまります。

 

成年後見人などの役割

表8-2-4-③ 成年後見人制度の権利の範囲

 
内容
具体例
取消権または同意権の範囲
(上記の権利を付与する場合の本人の同意)
代理権の範囲




  • 本人の財産に関する法律行為 (預金の管理や介護契約など) を本人に代わって行うことができます。ただし、本人の居住用の不動産を処分する場合には、家庭裁判所の許可が必要です。
  • 本人が自ら行った契約などについては、本人にとって不利益なものを原則として取り消すことができます。
日常生活に関する行為以外の行為の
同意権・取消権
(本人の同意:不要)
財産に関するすべての法律


  • 本人が行おうとしている一定の行為について同意を与える権限(同意権)を持ちます。この一定の行為とは、民法第13項第1項に定められています。
  • 本人が保佐人の同意を得ずに契約したものについて、本人にとって不利益なものは原則として取り消すことができます。また、本人の同意のもと、保佐人などの請求により家庭裁判所の審査を経て、本人に代わって様々なことを行う代理権も与えることができます。
「民法第13条第1項」の行為の
同意権・取消権
(本人の同意:必要)
申立ての範囲内で家庭裁判所が定める「特定の法律行為」


  • 本人の同意のもと、四親等内の親族内の親族などの請求により、家庭裁判所の審査を経て同意権と代理権を与えることができます。ただし同意権の範囲は保佐人より限定されたものになります。
「民法第13条第1項」の一部の
同意権・取消権
(本人の同意:必要)
申立ての範囲内で家庭裁判所が定める「特定の法律行為」

成年後見人などは以下のような法律行為(それに付随する事実行為)を行います。

① 財産管理

  • 財産の管理・保存・処分(売買契約、賃貸借契約など)
  • 金融機関との取引(預金口座、貸し金庫、保護預りなど)
  • 相続に関する事項(財産分割、相続、贈与など)
  • 住居に関する事項(住宅用不動産の購入、処分、新築・改築など)

② 身上監護

  • 介護契約・福祉サービス利用契約
  • 医療契約
  • 定期的収入の受領・費用の支払い(家賃、地代、年金、手当)
  • 生活費の送金・物品購入

医的侵襲行為(生命や身体に危険を及ぼす可能性のある検査や治療行為)の同意権は認められていないなど、後見人に認められていない行為もあります。

 

 

(2) 任意後見制度

[解説]

本人の判断能力があるうちに、将来、認知症、知的障がい、精神障がいなどにより判断能力が不十分になった際に、事前に後見人となってくれる人と後見事務の内容を契約によって決めておき、判断能力が不十分になった時点で後見を開始する制度です。

 

任意後見人の役割

任意後見人は、任意後見契約の内容に基づいて支援をおこないます。

 

[利用者負担]

  • 公正証書作成手数料
    11,000円+登記印紙代4,000円やその他に登記手数料など
  • 申立費用
    収入印紙800円、切手5,000円程度、登記費用や診断書料金などその他に1万円~2万円程度
  • 鑑定費用(必要がある場合)
    約5万円~10万円

 

[窓口と申請方法]

窓口

本人の居住地を管轄している家庭裁判所 (裁判所ホームページより確認できます)

表8-2-4-④ 任意後見人制度利用の流れ

① 判断能力あり
 ⇩
将来が心配なので、判断能力があるうちに後見人になってくれる人を探す
② 任意後見契約・登記 
 ⇩
後見人になってくれる人を見つけたら、公証人役場で「公正証書」によって締結します。
公証人が登記所にて任意後見契約の登記を嘱託
③ 本人が判断能力が不十分となる
 ⇩
本人・配偶者・四親等内の親族や任意後見受任者などが本人の居住地の家庭裁判所に「任意後見監督人選任の申立て」を行う
④ 後見審判の開始 
 ⇩
家庭裁判所が審問や調査、精神鑑定をもとに判断します。
⑤ 任意後見の開始 審査内容が通知されます。認められた任意後見人の登記を行い、任意後見の支援が始まります

 

  • 相談窓口
    居住地の市町村役場窓口
    鹿児島家庭裁判所 TEL:099-222-7121
    リーガルサポート鹿児島 TEL:099-251-5822
    成年後見センターぱあとなあ鹿児島 TEL:099-213-4055
    鹿児島県弁護士会 TEL:099-226-3765 
    地域包括支援センター
    社会福祉協議会 など

 

[補足]

  • 成年後見制度を利用した場合には、資格や職業などの制限がかかります。医師や税理士などの資格や公務員や会社役員など注意が必要です。

  • 成年後見制度利用支援事業 
    権利擁護をはかるために成年後見制度の利用が有効な場合でも申立費用がなかったり、親族による申立が難しい場合などにおいて市町村が行う事業です。(障害者総合支援法において市町村が行う任意の事業したが、必須の事業に改められました。)

 

[根拠法]

民法
成年後見制度利用支援事業要綱

 

[リンク・参照ホームページ]

法務省ホームページ >> 成年後見制度~成年後見登記制度~
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html

法務省ホームページ >> 自分のために-みんなの安心 成年後見制度
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji95.html

家庭裁判所ホームページ >> 成年後見制度に関する審判
http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_02_2/index.html 

公益社団法人 成年後見センター・ リーガルサポート ホームページ
http://www.legal-support.or.jp/

法テラスホームページ
http://www.houterasu.or.jp/

 

 

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