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最終報告日 2017.03.09

4-8 権利擁護

4-8-1 高齢者虐待防止法(高齢者の虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)

[解説]

近年、高齢化が急速に進行する中で、高齢者に対する身体的・心理的虐待などが家庭や施設などで表面化し、大きな社会問題となっています。特に、平成12年の介護保険制度導入後、第三者が家庭に入るようになってから高齢者虐待はますます顕在化するようになりました。高齢者虐待を防止・救済する仕組みをつくっていくことは避けがたい課題として認識されるようになり、平成18年4月「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下、「高齢者虐待防止法」)が施行されました。

高齢者虐待防止法では65歳以上を高齢者と定義し、高齢者の尊厳の保持、虐待の防止、虐待を受けた高齢者に対する保護の措置を定めています。さらに、実際に高齢者を養護している人の支援が必要であるという観点から、養護者の負担を軽くして、養護者が高齢者虐待をしないように支援するための措置も定められました。

鹿児島県パンフレット みんなで防ごう!高齢者虐待

 

高齢者虐待の定義

高齢者虐待防止法では、家族、親族、同居人などの「養護者による高齢者虐待」と、介護保険事業所(施設 / 居宅)、老人福祉施設などの「養介護施設従事者による高齢者虐待」に分け、以下の行為を高齢者虐待と定義しています。

表4-8-1-① 高齢者虐待の定義

区分内容と具体例
身体的虐待 高齢者の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること
・平手打ちをする、つねる、殴る、蹴る、無理矢理食事を口に入れる、やけど・打撲させる
・ベッドに縛りつける、意図的に薬を過剰に服用させる、身体拘束、抑制をする
介護・世話の
放棄・放任
高齢者を衰弱させるような著しい減食、または長時間の放置など、養護を著しく怠ること
・入浴しておらず異臭がする、髪が伸び放題、皮膚が汚れている
・水分や食事を十分に与えられていないことで、空腹状態が長時間にわたって続く、また脱水症状や栄養失調の状態にある
・室内にごみを放置するなど、劣悪な住環境の中で生活させる
・高齢者本人が必要とする介護、医療サービスを、相応の理由無く制限し使わせない
心理的虐待 高齢者に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応、その他著しい心理的外傷を与える言動を行うこと
・排せつの失敗などを嘲笑する、それを人前で話すなどにより恥をかかせる
・怒鳴る、ののしる、悪口を言う
・侮辱を込めて子どものように扱う
・高齢者が話しかけているのを意図的に無視する
性的虐待 高齢者にわいせつな行為をすること、またはわいせつな行為をさせること
・排せつの失敗などに対して懲罰的に下半身を裸にして放置する
・キス、性器への接触、セックスを強要する
経済的虐待 高齢者の財産を不当に処分すること、その他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること
・日常生活に必要な金銭を渡さない、使わせない
・本人の自宅などを本人に無断で売却する
・年金や預貯金を本人の意志、利益に反して使用する

 ※厚生労働省HPより抜粋

早期発見と通報・届出

高齢者虐待への対応は、問題が深刻化する前に発見し高齢者や養護者・家族に対する支援を開始することが重要です。民生委員や自治会・町内会などの地域組織との協力連携、地域住民への高齢者虐待に関する啓発普及、保健医療福祉関係機関などとの連携体制の構築などによって、虐待を未然に防いだり、仮に虐待が起きても早期に発見し対応できる仕組みを整えることが必要です。

 

保健・医療・福祉関係者の責務

高齢者の福祉に業務上または職務上関係のある人は、高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めなければなりません。また、国および地方公共団体が講ずる高齢者虐待の防止のための啓発活動、および高齢者虐待を受けた高齢者の保護のための施策に協力するよう努める必要があります(第5条)。

つまり、病院・老人福祉施設・地域包括支援センターなど高齢者の福祉に仕事上かかわる施設や職員は高齢者虐待の早期発見に努めないといけないということです。

 

通報などによる不利益取扱いの禁止

養護者や養介護施設従事者などによる高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した人は、速やかに、市町村に通報しなければなりませんが通報者が不利益をこうむらないように以下のように定められています。

高齢者虐待防止法では、
① 刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務に関する法律の規定は、養介護施設従事者などによる高齢者虐待の通報を妨げるものと解釈してはならないこと(この旨は、養介護者による高齢者虐待についても同様)(第21条第6項)
② 養介護施設従事者などによる高齢者虐待の通報等を行った従業者などは、通報等をしたことを理由に、解雇その他不利益な取扱いを受けないこと(第21条第7項)が規定されています。
こうした規定は、養介護施設などにおける高齢者虐待の事例を施設などの中で抱えてしまうことなく、早期発見・早期対応を図るために設けられたものです。

このことから、通報の行為は、各種資格法の守秘義務規定、刑法上の秘密漏示罪、個人情報保護法には違反しません。また、通報の行為によって解雇などの不利益をこうむらないようになっていることがわかります。

 

[窓口と申請方法]

高齢者虐待の窓口

市町村役場と地域包括支援センター(4-2-1)  

地域包括支援センターは、介護予防に加え、高齢者の人権・権利擁護も重要な事業として取り組むこととなっています。通報を受けた市町村長は、高齢者に生命または身体に重大な危険が生じているおそれがあると認められるときは、地域包括支援センターの職員などに立入調査をさせることができます。市町村ごとに設置されています。 ※市町村役場の窓口は、以下[市町村の例および違い]を参照ください。

    養護者による高齢者虐待への具体的な対応
(市町村における事務の流れ)
  養介護施設従事者などによる高齢者虐待への具体的な対応
(市町村・都道府県における事務の流れ)
     
    虐待を受けた高齢者からの届出・虐待発見者からの通報 など   
    ⇩   
    市町村役場や地域包括支援センターの高齢者虐待対応窓口   
    ⇩   
















┌─






























└→
市町村担当部局による緊急性の判断   
⇩   
訪問調査・関連機関の情報収集などによる事実確認・安全確認   
(場合によって、立入調査や警察への援助要請)  
 
地域の関係者を集めた個別ケース会議   
























(場合によっては、市町村による介護保険法上の指導監督権限の行使)
高齢者・養護者に対する支援措置
  • 積極的な対応措置などによる養護者との分離を要する場合
    (老人福祉法に基づく措置や病院への入院 など)
  • 既存の枠組みでの対応が可能な場合
    (ケアプランの見直し など)
  • 養護者に対する支援
    (老人福祉法に基づく措置の活用 など)
都道府県への報告
  • 虐待があったと認められた事例
  • 都道府県とともに事実確認が必要な事例
関係機関・関係者による支援の実施 事実確認 (適宜、市町村と共同で実施)
   
    支援実施後のモニタリング 老人福祉法・介護保険法上の指導監督権限の行使


図4-8-1-② 高齢者虐待の具体的な対応 ※厚生労働省HPより参照

 

[補足]

  • 身体拘束と高齢者虐待
    介護保険施設などにおける身体拘束は、原則として高齢者虐待に該当します。ただし、「生命または身体を保護するために緊急やむを得ない場合」は、例外的に高齢者虐待に該当しません。
    ※緊急やむを得ない場合とは、以下3つの要件すべてを満たす状態であることとされています。

 表4-8-1-③ 身体拘束をすることができる要件

① 切迫性 本人または他の利用者などの生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高い
② 非代替性 身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する看護・介護方法がない
③ 一時性 身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること

 

[根拠法]

高齢者の虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

 

[リンク・参照ホームページ]

厚生労働省 >> 高齢者虐待防止関連調査・資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/boushi/index.html

鹿児島県ホームページ >> 高齢者虐待防止について
http://www.pref.kagoshima.jp/ae05/kenko-fukushi/koreisya/gyakutai/koureigyakutaiboushi.html

 

[市町村の例および違い] ※高齢者虐待の連絡先(地域包括支援センターを除く)         (平成28年4月) ※鹿児島県HPを参照

市町村例および違い
部署名電話番号
鹿児島市 すこやか長寿部長寿支援課 地域包括支援係
鹿児島市パンフレット 防ごう高齢者虐待
099-216-1186
鹿屋市 高齢福祉課 地域密着係 0994-31-1116 (課直通)
枕崎市 福祉課 在宅福祉係 地域包括支援センター係 0993-72-1111 (内線131・463)
阿久根市 生きがい対策課 高齢者対策係 0996-73-1211 (内線1414)
出水市 いきいき長寿課 高齢者支援係 0996-63-2111 (内線287)
指宿市 長寿介護課 高齢者支援係 0993-22-2111 (内線251・252)
西之表市 健康保険課 高齢者支援室包括支援係 0997-22-1111 (内線330)
垂水市 保健福祉課 0994-32-1111 (内線125)
薩摩川内市 高齢・介護福祉課 高齢者福祉グループ 0996-23-5111 (内線2673)
日置市 介護保険課 地域包括ケア推進係 099-248-9423 (係直通)
曽於市 財部支所福祉課 福祉事務所高齢者福祉係 0986-72-0936
本庁介護福祉課 地域包括支援センター 0986-76-8824
大隅支所保健福祉課 福祉係 099-482-5925
霧島市 長寿・障害福祉課 長寿・福祉グループ 0995-64-0995
いちき串木野市 福祉課 高齢障害係 0996-33-5619
南さつま市 福祉課 社会係 0993-53-2111 (内線2721)
志布志市 福祉課 社会福祉係 099-474-1111 (内線172)
奄美市 高齢者福祉課 高齢者支援係 0997-52-1111 (内線1696)
いきいき健康課 介護保険係 0997-63-2299
市民福祉課 福祉係 0997-69-2111
南九州市 長寿介護課 介護保険係 0993-56-1111
高齢者福祉係
地域包括支援係
伊佐市 健康長寿課 高齢者支援係 0995-23-1311 (内線1222・1223)
0995-23-1311 (内線2173・2174)
姶良市 長寿・障害福祉課 長寿福祉係 地域包括支援センター 0995-66-3111 (内線123)
三島村 民生課 老人福祉係 099-222-3141
十島村 住民課 介護係 099-222-2101
さつま町 福祉課 福祉係 0996-53-1111 (内線2134・2135)
長島町 保健衛生課 0996-86-1111 (内線1116)
湧水町 福祉課 社会福祉係 0995-74-3111
大崎町 保健福祉課 介護福祉係 099-476-1111 (内線142)
東串良町 福祉課 福祉係 0994-63-3103
錦江町 保健福祉課 福祉チーム 0994-22-3042
南大隅町 介護福祉課 福祉係 0994-24-3126(内線133)
肝付町 福祉課 福祉推進係 0994-65-8413
中種子町 福祉環境課 福祉係 0997-27-1111 (内線261)
南種子町 保健福祉課 福祉年金係 0997-26-1111
屋久島町 福祉事務所 福祉係 0997-46-2235
大和村 保健福祉課 0997-57-2218
宇検村 保健福祉課 0997-67-2212
瀬戸内町 保健福祉課 地域支援係 0997-72-1153
介護福祉係 0997-73-1766
龍郷町 保健福祉課 高齢者福祉係 0997-62-3111
喜界町 保健福祉課 0997-65-3522
徳之島町 介護福祉課 0997-82-1111
天城町 保健福祉課 社会福祉係 0997-85-5267
伊仙町 保健福祉課 0997-86-3111
和泊町 保健福祉課 0997-92-1651
知名町 保健福祉課 0997-81-5511
与論町 町民福祉課 0997-97-3111 (内線216)
 

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