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最終報告日 2017.03.16

5-2 障がい者支援

5-2-6 障がい者のケアマネジメント

[解説]

障がい者ケアマネジメントはいくつもの過程を経ておこなわれます。大きな意義は、これらの過程を順序立てて進むことにあります。
ケアマネジメントの導入にあたっては、地域の社会資源やケアマネジメントなどに関して情報提供し、障がい者の主体性や自己決定を尊重することが重要です。

表5-2-6-① 障がい福祉サービスの利用方法とケアマネジメント ※ ◎利用者 ●指定特定相談支援事業者

(1)相談・申請
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◎①利用者は、市町村役場または「相談支援事業者」に相談します。
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◎②サービスが必要な場合は市町村役場に申請します。●相談支援事業者にて代行申請が可能です。
 ⇓
◎③申請時に市町村役場より
「サービス等利用計画案・児童支援利用計画案提出依頼書」などの交付を受けます。
 ⇓
◎④市町村役場から
指定特定相談支援事業者」の一覧を渡され、事業者を選び、計画相談支援の契約をするよう依頼されます。
※「相談支援事業者」は、申請前の相談や申請をするときの支援を行います。
※「指定特定相談事業者」は、サービス等利用計画の作成、サービス事業者との連絡調整、などを行います。
(2)指定特定相談支援事業者と契約
 ⇩

◎利用者は、指定特定相談支援事業者に連絡し、計画相談支援について利用契約を行います。

●ケアマネジメントの希望の確認

複数のサービスを総合的かつ継続的に提供する必要があると判断された段階で、ケアマネジメントを希望するかどうかを確認します。
・利用者に障がい者ケアマネジメントはどのような支援を行うのか十分に説明しなければなりません。
・ケアマネジメントをいつでも中断できることを理解してもらう必要があります。
・ケアマネジメントの導入を判断するために、緊急性の有無や抱えている課題が単一か複数か、抱えている課題が明確になっているか、情報提供によって自分で計画を作成できるかなどの観点を考慮します。
・コミュニケーションに制限をもつ障がい者にとっては、相談場面で自分の意思を伝えられない場合もあり、コミュニケーションの保障が重要となります。聴覚障がい者本人の希望により手話通訳者(士)を配置する必要もでてきます。また、家族や本人の信頼できる人を同席させることも考慮する必要があります。

ここでは、利用者の概要と主訴をしっかりと把握するとともに、一次アセスメントに入る目的を整理しておきます。

(3)審査・判定
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専門の調査員が自宅などへ障がい者(児)を調査した結果および医師の診断結果をもとに、市町村の認定審査会で審査・判定が行われ、どのくらいのサービスが必要な状態か (障害支援区分) が決められます。
※介護給付の障がい福祉サービスを利用する場合のみ実施されます。※1
※障がい児については、障害支援区分の認定は行いません。 (重度障害者等包括支援・重度訪問介護の場合は認定が必要となります)
(4)サービス等利用計画案の作成
(ケアマネジメント)
 ⇩

●アセスメント:生活ニーズを把握するとともにニーズを充足する方法や社会資源の検討を行うアセスメントを実施します。

アセスメントでは、サービス等利用計画を作成するために、利用者の生活の状況や置かれている環境の状況を理解し、要望や主訴から具体的な生活ニーズを探すことが重要です。アセスメントは、「障がい者ケアマネジメント従事者による一次アセスメント」、「専門家による二次アセスメント」、「障がい者ケアマネジメント従事者による社会資源のアセスメント」から成ります。

「一次アセスメント」は、障がい者ケアマネジメント従事者が行い、家庭訪問の目的を理解してもらい、そこで何を明らかにするかを理解しておく事が必要です。また、必要に応じて、専門家と一緒に家庭訪問することも考慮します。一次アセスメントでは、利用者の一日の生活の流れと地域や住まいなどの生活環境を把握するとともに、利用者の要望を引き出します。さらに、利用者や家族が望んでいる暮らしを明らかにします。
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「二次アセスメント」は、専門家によるアセスメントで、障がい者ケアマネジメント従事者の依頼によって実施します。障がい者ケアマネジメント従事者は、利用者の了解を得て、相談受付票や一次アセスメント票の情報を共有し、課題解決に有効な専門家を選びます。二次アセスメントに関わった専門家は、その結果をまとめて報告書を作成し、障がい者ケアマネジメント従事者に提出するとともに、サービス担当者会議で報告します。必ずしも二次アセスメントを必要としない利用者もいるのですべての障がい者に対して、二次アセスメントをしなければならないと考える必要はありません。

障がい者ケアマネジメント従事者は、相談受付票、一次アセスメント票、二次アセスメント票で変わったことを生活ニーズに整理します。
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「社会資源の検討」
利用者の生活ニーズの整理が終わったら、それらのニーズを解決すると思われる社会資源を検討します。障がい者ケアマネジメント従事者は、地域の社会資源について、障がい別、生活ニーズ別のリストを作成します。社会資源の検討は、利用者のニーズに合った社会資源かどうか、その社会資源は利用できる可能性はあるか、利用は容易かなどの観点から行います。もし、利用者に合った社会資源ではないと判断したら、その改善の可能性まで把握します。

相談受付票、一次アセスメント票、二次アセスメント票、社会資源の検討の結果を踏まえて、次の計画作成の段階に入ります。
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●サービス等利用計画案の作成

障がい者ケアマネジメント従事者は、障がい者(児)の心身の状況や置かれている環境、支援するうえで解決すべき課題などを把握し、障害支援区分を踏まえて利用者とともに「サービス等利用計画案」を作成します。

(5)サービス等利用計画案の提出
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●指定特定(児童)相談支援事業者は、申請者の同意を得て、「サービス等利用計画案」などの必要書類を市町村役場に提出します。
(6)支給決定・通知
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●サービス等利用計画案を踏まえてサービスの支給量などが決まり、「障害福祉サービス受給者証」が交付されます。※認定結果に不服があるときには、県に申し立てをすることができます。
(7)サービス担当者会議
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●支給決定後にケアマネジメント従事者は、利用者(必要に応じて家族または利用者が信頼する人)と協働する人(医療関係者、福祉サービス関係者、教育関係者など)から構成されるサービス担当者会議を開催し、利用者の同意を得て情報を共有し、計画を作成します。その際、現実的な計画を作成するためには、公的サービスとの調整を図る必要があることなどから、市町村担当職員も当該会議に参加することが求められます。

サービス担当者会議において決定した計画内容については、再度利用者の同意を得ます。障がい者ケアマネジメント従事者は、会議における会議録をまとめて、利用者や会議参加者に配布します。この会議録は、モニタリングや再アセスメントを行うときに、貴重な資料として活用しますのでしっかりと記録しておきましょう。

●サービス担当者会議において決定された計画を実施する前に、サービス調整(時間帯の調整)をする必要があります。このサービス調整では、利用者のニーズを理解したうえで、エンパワメントの視点によるサービスが提供されるように働きかけます。

●また、障がい者ケアマネジメント従事者は、サービス提供者に、計画に基づく個別援助計画の作成を求めます。
サービス提供者が、利用者の家庭を訪問したいと望んでいれば、利用者との相談のうえ、家庭訪問をして詳細な個別援助計画の作成にあたれるよう考慮します。このような過程を経ると、適切なサービス提供が図れることになります。サービス調整の段階で、計画の修正が生じた場合、障がい者ケアマネジメント従事者は、利用者や関係者にその旨を連絡し、了解をとります。

◎利用者は、サービスを利用する事業者と利用に関する契約をします。

(8)サービス等利用計画の提出
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●計画の内容について、必ず利用者やその家族に説明し、利用者とサービス提供者に交付したうえで、必要書類を市町村役場に提出する。
(9)サービス利用開始
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◎サービス等利用計画のとおりにサービスの利用を開始します。

 

(10)モニタリング
 ⇩

●一定期間ごとにサービスなど利用状況の検証を行い、計画の見直し (モニタリング) を行います。

モニタリングは、障がい者ケアマネジメント従事者が、計画に基づいてサービスが計画どおり実施されているかどうかを確認することです。確認の内容は、新たなニーズが生じていないか、計画どおりのスケジュールでサービスが提供されているか、サービスの内容が質的に低下していないか、利用者が満足してサービスを受けているかなどの観点から実施します。このモニタリングにおいて、障がい者ケアマネジメント従事者の調整の不備や、サービス提供者が利用者のニーズを誤解するなど、ケアマネジメントを進めるうえで微調整しなければならないことを発見することになります。

モニタリングにおいて、利用者から新たなニーズが出てきた際は、再度ニーズ把握を行い、ケア計画を修正する必要があるときは、再アセスメントとなります。再アセスメントを行うとき、計画を決定した会議の会議録を見直し、検討を加えたニーズかどうか、また、会議において見落としたニーズかを調べておきましょう。再アセスメントは、障がい者ケアマネジメント過程のニーズ把握に戻ることになります。

(11)ケアマネジメントの終了

●利用者が入院や入所した場合など、ケアマネジメントを必要しなくなったとき、ケアマネジメントは終了します。

利用者がケアマネジメントを希望しなくなったとき、新たな計画が必要ないと判断されたとき、ケアマネジメントは終了します。病院・社会福祉施設などに入院や入所した場合、ケアマネジメントはいったん終了します。しかし、退所・退院後を考慮してケアを継続できる体制を準備しておく必要があります。

また、障がい者ケアマネジメントにおいては、社会資源の改善や開発も、重要な要素です。したがって、障がい者ケアマネジメントは、個別事例を通して地域の社会資源の開発や地域ネットワークの構築を図っていく過程でもあります。

※厚生労働省HPを参照

※1 介護給付の中でも同行援護の利用申請の場合、障害支援区分の調査に加えて同行援護アセスメント票によるアセスメントを行います。ただし、身体介護を伴わない場合は、心身の状況に関するアセスメント、障害支援区分の一次判定、二次判定(審査会)および障害支援区分の認定は行ないません。逆に、訓練等給付の共同生活援助の利用申請のうち、一定の場合は障害支援区分の認定が必要です。

 

[リンク・参照ホームページ]

厚生労働省ホームページ >> 障害ケアガイドライン
http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/03/tp0331-1.html#26

厚生労働省ホームページ >> 相談支援の手引き
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0428-1h/04-2.html

 

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