医療関係者向け検索サイト。病院検索やガイドブックなど鹿児島県の医療・福祉にご活用ください。

メニューへ戻る

最終報告日 2017.03.10

2-2 高額療養費制度

2-2-1 高額療養費制度と高額療養費制度の現物給付(70歳未満・70歳以上)

① 高額療養費制度:70歳未満

[解説]

70歳未満の人の一月(その月の1日~末日まで)の間に窓口で支払った医療費の自己負担額が一定額を超えたとき、請求すれば超えた分の金額が払い戻される制度です。一時的に支払う負担が大きいため、窓口での支払いを認定証を提出することで自己負担限度額までに済ませる現物給付もあります。

高額療養費制度を利用される皆さまへ (厚生労働省ホームページ)

 

[対象者]

いずれかの医療保険に加入し、医療費の自己負担が一定額を超えた人

 

[利用者負担]

表2-2-1-① 高額療養費の自己負担額

区分自己負担限度額 (月額) 通院+入院4回目以降一般病床食費(1食) ※2
区分ア 年収約1,160万円~
(健保:標報83万円以上
 国保:年間所得901万円超)※1
 252,600円 + (医療費総額-842,000円) × 1%  140,100円

 

 

 

360円
(平成30年4月から460円)



区分イ 年収約770~約1,160万円
(健保:標報53万~79万円
 国保:年間所得600万~901万円)
 167,400円 + (医療費総額-558,000円) × 1%  93,000円
区分ウ 年収約370~約770万円
(健保:標報28万~50万円
 国保:年間所得210万~600万円)
 80,100円 + (医療費総額-267,000円) × 1%  44,400円
区分エ ~年収約370万円
(健保:標報26万円以下
 国保:年間所得210万円以下)
 57,600円  44,400円
区分オ 住民税非課税世帯  35,400円  24,600円  210円  (160円)

※1 国保の「年間所得」とは、前年の総所得金額などの所得金額の合計額から基礎控除(33万円)を控除した額。
※2 65歳以上の人が療養病床に入院した場合は、食費と居住費を別に設定しています。(表2-2-1-④を参照)

表2-2-1-② 高額療養費【例】

【例】1か月間入院して総医療費が100万円(食事負担額は除く)かかり、その3割の30万円を医療機関の窓口で支払ったと仮定した場合、保険者から払い戻される額は所得に応じて以下のようになります。
年収約1,160万円~  区分ア 300,000 - {252,600 + (1,000,000- 842,000) × 0.01} = 45,820 (自己負担額254,680円)
年収約370~770万円  区分ウ 300,000 - {80,100 + (1,000,000 - 267,000) × 0.01} = 212,570 (自己負担額87,430円)
住民税非課税者  区分オ 300,000 - 35,400 = 264,600 (自己負担額35,400円)
70歳未満 年収約370~770万円の場合
   自己負担
(87,430円)
高額療養費の払い戻し額
(212,570円)
7割(70万円)は医療機関へ保険者から支給
←── 支払いの請求額30万  ──→  

全国健康保険協会ホームページに70歳未満の人の高額療養費簡易試算があります。
全国健康保険協会 > 健康保険ガイド > 病気やケガをしたとき > 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費) > 高額療養費簡易計算

 

[窓口と申請方法]

  • 国民健康保険の場合は、市町村役場の国保担当部署。表2-2-1-③のように保険者により窓口が違います。
  • 申請から支給までに3~4か月かかります。(払い戻しまで時間がかかるため、医療費の支払いに充てる費用として、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸し付ける高額医療費貸付金2-2-3)があります。)
  • 支給内容や申請方法などが各保険で違いがあるため、申請前に窓口へご連絡ください。

表2-2-1-③ 窓口と申請方法

申請方法 支払い後の領収書・印かん・本人の銀行口座・保険証を準備し、それぞれの窓口へ申請します。


窓口
国民健康保険市町村役場 国民健康保険担当窓口
全国健康保険協会 協会けんぽ鹿児島支部 ※高額療養費支給申請書・記入例(全国健康保険協会ホームページ)
船員 職務外 協会けんぽ鹿児島支部
職務内 労災保険制度 労災担当者
健康保険組合 会社の事務を通じて組合へ連絡
共済組合 職場の事務を通じて組合へ連絡

 

② 高額療養費制度の現物給付(限度額適用認定証):70歳未満

[解説]

70歳未満の医療保険加入者は、認定証の交付を受け、医療機関に提示すると、医療費(入院・外来別)の窓口負担が自己負担限度額までの支払いで済みます。
それにより、高額療養費の際にかかる一時的な費用負担が軽くなります。(申請が必要です)

 

[利用者負担]

課税状況認定証適用範囲
課税世帯 「限度額適用認定証」 医療機関の窓口での支払いが自己負担限度額まで ※表2-2-1-①を参照
非課税世帯 「限度額適用・標準負担額減額認定証」 医療機関の窓口での支払いが自己負担限度額までになり、入院時の食事代も減額

 

[窓口と申請方法]

認定証は、提出した月から適用となるため、早めの申請をおすすめします。

  • 保険証と被保険者の印かんを準備して、高額療養費の申請と同様に各保険者の窓口にて手続き後、「認定証」が交付されます。
  • 国民健康保険以外の市町村民税非課税者は、申請のときに課税証明書が必要になります。
  • 支給内容や申請方法などが各保険で違いがあるため、申請前に窓口へご連絡ください。

 


 

③ 高額療養費制度と現物給付:70歳以上

[解説]

70歳以上の人が治療を受けた場合、認定証の手続きをしなくても限度額までの支払いになります。ただし、低所得の人(市町村民税非課税者)については、申請をすることにより「限度額適用・標準負担額減額認定証」が交付され、自己負担限度額まで軽減されます。

 

[利用者負担]

70歳以上の人は、外来と入院では、自己負担限度額に違いがあります。

表2-2-1-④ 高額療養費の負担額

区分

自己負担限度額(月額)4回目
以降
(多数該当)
一般病床
食費
(1食)
65歳以上の人が療養病床に入院のとき
食事代 (1食につき)・居住費
通院
(個人ごと)
通院+入院
(世帯ごと)
現役並みの
所得者※1
44,400円 80,100円+ (医療費総額-26,700円) ×1% 44,400円 360円※4 【入院時生活療養Ⅰを算定する保険医療機関に入院の場合】
食費:1食 460円 居住費:1日 320円
【入院時生活療養Ⅱを算定する保険医療機関に入院の場合】
食費:1食 420円 居住費:1日 320円
一般所得者 12,000円 44,400円   360円※4
低所得者Ⅱ※2 8,000円 24,600円 210円
(160円)
食費:1食 210円 居住費:1日 320円
低所得者Ⅰ※3 15,000円 100円 食費:1食 130円 居住費:1日 320円

※1 現役並み所得者:住民税課税標準額145万円以上(健康保険の場合:標準報酬月額28万円以上)の被保険者本人、かつ同世帯の被保険者との合計収入が520万円以上(被保険者が1人の世帯は383万円以上)の人
※2 低所得者Ⅱ:住民税非課税世帯の低所得Ⅰ以外の世帯の人
※3 低所得者Ⅰ:70歳以上の住民税非課税世帯で年金額80万円以下等の世帯の人
※4 平成30年4月からの入院時の食事代は460円です。

 

[窓口と申請方法]

  • 70~74歳の人は、それまで加入していた保険者が窓口。75歳以上の人は市町村役場(後期高齢者医療の担当)が窓口。
  • 70歳以上の一般と現役並み所得の人は、自動的に医療機関窓口での支払が負担の上限額までにとどめられますが、
    低所得の人は、高額療養費の申請を行うか、「認定証」の申請を行う必要があります。
  • 各窓口に領収証・印かん・本人の銀行口座・保険証を持参して申請することで、「認定証」が交付されます。

 


 

[補足]

  • 自己負担額の基礎知識
    • 自己負担額は、暦月ごとに計算します。
    • 医療機関毎に計算します。
    • 同じ医療機関でも入院と外来は別々に計算します。
    • 外来で処方箋をもらい院外薬局で調剤した場合は、外来分に含めて計算します(一旦は、自己負担)。
    • 高額療養費の支給は2年前までさかのぼれます。(市町村によって違いがあります)
    • 入院の食事代、差額ベッド代は保険適用ではありません(自費負担)。
      そのため、「その月に支払った医療費」には、「食事標準負担額」や「差額ベッド代」などは含まれません。
    • 健康保険組合加入者の場合、各事業所によって自己負担金が異なる場合があります。
    • 非課税世帯の扱いになる市町村役場において資産(所得)の申告が必要です。
    • 医療費を支払うことが困難な場合、自己負担金だけを支払う委任払い制度(2-2-2)があります。
    • 保険者が変更になった場合、保険者ごとの計算のため、保険者間では世帯内合算や多数該当はできません。
    • 自己負担額を超えて支払っている場合は、保険者によって届く期間は異なりますが、半年から1年後に払い戻しの手続きについてのお知らせが届きます。
    • 高額療養費の現物支給(認定証の使用)は、家族間ではなく個人単位で適用されるため、世帯内で同じ月に支払った医療費の合算は適用されません。後日、高額療養費の申請が必要です(世帯合算)。
    • 多数該当の現物支給の場合、その医療機関で被保険者もしくは被扶養者が多数該当だと確認ができれば可能な場合があります。
    • 保険料に滞納があると認定証の交付ができない場合もあります。保険者に相談ください。
  • 多数該当
    高額療養費を支払った月が過去1年間(12か月間)に3回(3か月)以上あった場合に、4回目(4か月目)から自己負担限度額が低くなります。
    • 保険者を途中で変更すると多数該当者は、リセットされます。
  • 世帯合算
    同一月内に、同一世帯内で、一部負担額(支払った医療費)が2件以上ある場合に合算することができます。
    ただし、以下の条件があります。
    • 世帯内合算を行うときは、同じ医療保険に加入していることが条件です。
    • 世帯合算には、合算の順序があります。

表2-2-1-⑤ 世帯合算の順序

① 70歳以上(外来)
 ⇩  [個人単位]
まず、70歳以上の人が外来にかかった自己負担を個人単位で合算します。
② 75歳以上
  70~74歳
  70歳未満
 ⇩  [個人単位]
    [世帯単位]
次に、世帯内で75歳以上の人たち、70~74歳の人たち、70歳未満の人たちは、ぞれぞれ個人の入院と外来の自己負担を合算します。その後、各年齢グループ内で世帯単位で合算します。
  • 70歳未満の人は、21,000円を超えた医療費しか世帯合算できません。
  • 70歳以上の人は、すべての医療費が世帯合算できます。
③ 70~74歳
  70歳未満
    [世帯単位]
70~74歳70歳未満のいる世帯では、それぞれの自己負担を世帯合算し、70歳未満の自己負担限度額を適用します。
  • 75歳以上の人のグループと他の年齢グループとは世帯合算できません (75歳以上の人同士なら合算可能です)。
    • 70歳未満の人は、同じ月に同じ医療機関で複数回診療をした場合、入院と外来は別々に合算し、それぞれが21,000円を超えていれば世帯合算の対象になります。(同一医療機関における入院・外来別計算)
    • 70歳以上の人は、同じ月の入院と外来それぞれの医療費がすべて世帯合算の対象となります。つまり、70歳未満の人たちとは違い、1つの医療機関での支払金額が21,000円を超えていなくても合算の対象となります。(入院・外来別計算)
    • 75歳以上の人のグループと他の年齢グループとは世帯合算できません。(75歳以上の人同士なら合算可能です)

表2-2-1-⑥ 70歳~74歳の世帯合算の例

夫 (73歳)妻 (72歳)
一部負担金 40,000円
(A病院へ通院 20,000円 + B病院へ通院 20,000円)
一部負担金 50,000円
(C病院へ入院 30,000円 + D病院へ通院 20,000円)
夫と妻の通院の払い戻し額の計算 ※通院の個人単位の自己負担限度額は 12,000円 (表2-2-1-④を参照)
40,000円 - 12,000円 = ① 28,000円 20,000円 - 12,000円 = ② 8,000円
  夫と妻の通院の自己負担限度額と入院の一部負担金を合計  
12,000円 + 12,000円 + 30,000円③ 54,000円
※世帯の自己負担限度額 (通院+入院) は44,400円 (表2-2-1-④を参照)
③ 54,000円 - 44,400円 = ④ 9,600円
この世帯の払い戻し額
① 28,000円 + ② 8,000円 + ④ 9,600円45,600円

「世帯」とは・・・

自己負担額の合算は、同一の医療保険に加入する家族を単位として行われます(医療保険における「世帯」は、いわゆる一般のイメージの「世帯」(住民基本台帳上の世帯)の範囲とは異なります)。

【例】
会社で働く人やその家族などが加入する健康保険であれば、被保険者とその被扶養者の自己負担額は、住所が異なっていても合算できます。
他方、共働きの夫婦など、別々の健康保険に加入していれば、住所が同じでも合算の対象となりません。
また、健康保険の被保険者(例:45歳のサラリーマン)と後期高齢者医療制度の被保険者(例:80歳の高齢者)が同居している場合、それぞれの医療費は合算の対象となりません。

 

[根拠法]

国民健康保険法
健康保険法

 

[リンク・参照ホームページ]

全国健康保険協会ホームページ
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/1.html

鹿児島県国民健康保険団体連合会ホームページ
http://www.kokuhoren-kagoshima.or.jp/?page_id=97

 

このページトップへ戻る